の人生 徹底攻略法

架空のゲームの攻略本。衰退した攻略本文化に敬意を払いつつ…

時間について・その2(昨日・今日・明日)

 ここまで、地球が1回転する間に経過する時間を、どんな風に表現するのか、見てきました。ちょっとむずかしかったかと思います。だけど、人間としてゲームをプレイし続けていくためには、とっても大事なことなので、がんばって覚えよう。
 さて。地球が1回転すると「1日」が経過するわけですが、世界が同じ1日を何度も繰り返すということは、絶対にありません。ひとくちに「1日」といっても、完全に同じ日は、まったくないのです。
 今現在の1日を「今日」、1日まえに終わった日を「昨日」、1日あとに始まる日を「明日」といいます。「今日」を基準にした、その前後の日の呼び方は以下の通り。(5日以上まえ、5日以上あとには呼び名がありません。)

4日前→弥一昨日(やのおととい)
3日前→一昨昨日(さきおととい)
2日前→一昨日(おととい)
1日前→昨日(きのう)
 【今日】
1日後→明日(あす)
2日後→明後日(あさって)
3日後→明明後日(しあさって)
4日後→弥明後日(やのあさって)

 「今日」は「昨日」とは違う日だし、「明日」も「今日」とは違う日。たとえあなたがゲームオーバーになっても、時間の流れは永遠に続いていきます。

時間について・その1(秒・分・時間・日)

 地球が1回転するとゲーム内時間で「1日」が経過する。それを基準に、さまざまな時間の単位「秒」「分」「時間」「日」「週」「月」「年」が設けられているぞ。
 時間は目に見えないけれど、「時計」というアイテムがあれば可視化できる。時計の読み方を覚えると、パスタをゆですぎたりしないし、待ち合わせにも遅刻しないから、ゲームに有利になる。
 時間が経過することで、主人公は成長したり、いろいろなイベントが発生・発展していくぞ。ただし、気を付けて。時間は一方通行で、「過去」に戻ることはできない。行動の結果が気に入らないからと言って、やりなおすことはできない。より良き「未来」にするため、「現在」で適切な行動を選ぼう。
 また、時間の流れ方は一定だ。急に早くなったり遅くなったりはしない。(例外:サブイベント「タイムマシンを発明しよう!」のページを参照)

 「1日」は、便宜的に24分割される。その単位を、(流れている「時間(英語だとtime)」とまぎらわしいけど)「時間(英語だとhour)」というよ。
 1日は、24時間。最初の12時間を午前、最後の12時間を午後といいます。そして、太陽が出ているか出ていないかによって、2つの時間帯に分けることができるんだ。太陽が出ている光の時間を「昼間」、太陽が出ていない闇の時間を「夜中」という。動植物の多くは昼間に活動し、夜中は休息するぞ。
 夜から昼へと推移する日の出の頃を「朝」といい、昼から夜へと推移する日没の頃を「夕方」という。
 以下、各時間帯のだいたいの呼び名。


0時~3時→未明
3時~6時→明け方 (夜明け前)
6時~9時→朝
9時~12時→昼前(午前中)
12時ちょうど→正午(お昼)
12時~15時→昼過ぎ(午後)
15時→おやつ
15時~18時→夕方(宵)
18時~24時→夜(晩)
21時~3時→深夜(真夜中)
24時頃→夜半

 以上の通り、1日は24時間に分割されている。
 そして、1時間も、60分割されています。その単位を「分」といい、駅から徒歩で歩くときの所要時間や、カップラーメンが出来上がるのを待つ目安になる。
 そしてさらに、1分は60分割されている。その単位を「秒」といい、競走の記録や、マジで恋する所要時間の目安になる。
 1日は24時間。1時間は60分。1分は60秒。つまり、1日は86400秒。

地球

 ゲームの舞台となる「地球」は、太陽を中心に回る惑星のうちのひとつ。巨大な球体である。あなたは主にその地表でゲームを進行させていくことになります。
 地球の内部には、神秘のちからである「重力」が発生している。万物はこの重力によって引き寄せられるため、球面からすべって落ちてしまったりはしないから安心して。また、地球の直径はとても大きいので、その球面はプレイヤーにとっては平らに感じられるのだ。
 おびただしい数の「生物」が、地表近辺で生命活動をおこなっているぞ。「生物」は、運動能力のある「動物」と、自力で動くことのできない「植物」に大別できるんだ。「生物」にはさまざまな種類があり、あなたはそのうちの「人間」という種族だ。「人間」は「動物」であり、自分で動けるから「植物」より面白いぞ。
 地表の70パーセントは「海」と呼ばれる塩からい大量の水で、残りの30パーセントの乾いた地面である「陸」で「人間」は生活する。乾いた地面は、ユーラシア大陸・アフリカ大陸・北アメリカ大陸南アメリカ大陸・オーストラリア大陸南極大陸の6つの大陸と、無数の島から構成されている。これを地上と呼びますが、地上には高低差があり、山や谷や平野があるよ。
 地球は北極から南極を軸にして、一定の速度で回転していて、1回転するとゲーム内時間で「1日」が経過する。また、神秘のちからである「磁力」が南極から北極に向けて地表を流れている。磁力によって血行が良くなるし、アイテム「方位磁針」を持っていればどちらが北なのかわかって便利。
 ──球体の上にいると、どっちがどっちなのか、よくわからなくなる。あなたが「右」と思っていても、それは他人から見れば「左」かも知れない。だから、「人間」の社会では東西南北4つの方角が定められている。方位磁針が指し示す方角が「北」で、その反対は「南」。朝、空からお日様が上って来る方角が「東」。夕方、お日様が沈んでいく方角が「西」だ。ちょっと難しいかも知れないけど、現在地と目的地を調べるときに便利なアイテム「地図」を読むときに便利なので、頑張って覚えよう。

 北
西+東
 南

スコアについて

 『の人生™』には、キャラクターの生涯を採点するシステムが実装されている。
 得点(スコア)は、一般的には「知名度」と呼ばれる。キャラクターが印象的な行動を取ると、それに応じた点数がつけられるんだ。点数は加算制ではなく、更新制。コツコツ小さな行動を積み重ねるよりも、ドカンと大きな行動を成し遂げた方が最終スコアは高くなる。また、大きな行動を連発すると、スコアの伸びが大きくなるぞ。
 得点は0~9999の範囲。上限は9999で、これ以上は増えない。9999に到達することをカンスト(カウントストップ)という。カンストは通常のプレイでは不可能。プログラムから逸脱したり、ゲームが終わらないチートを使わなければならない。ちなみに、これまでに数えきれないほどのプレイヤーが『の人生™』をプレイしてきたが、カンストしたプレイヤーは史上2人しかいない。
 ゲームオーバーの時点で他のプレイヤーよりも高得点だったら、「ハイスコア」として名前が残る。もしもハイスコアを記録すれば、そのプレイ内容は人々の記憶に長く残り、後世まで語り継がれることだろう。あなたもチャンスがあれば、ぜひハイスコアを狙ってみてほしい。
 ただし、スコア=幸福のバロメーターというわけではない。ハイスコアを記録しても、不幸な生涯の場合もある。
 また、スコアが高ければ高いほど「有名税」というペナルティーが重くなる。有名税は、有名人と一般人のあいだに生じる不公平感をへらすため、自動的に両者のバランスを取るゲーム内プログラム。有名税として支払われるおもな代償は、「おっかけ、ストーカー、パパラッチなどの難敵の出現」「プライバシー侵害(私的な時間・空間の剥奪)」「恋愛禁止」「一般人からの嫉妬」「身内の葬式にマスコミが殺到」「気軽に病院にいけない」「エロビデオもおちおち借りにいけない」などだ。
 なお、ハイスコアを記録しても、かならずしも賞賛されるわけではない。悪評によるハイスコアの場合は決してたたえられず、逆に末代までたたられる(ヒトラー、ネロ、エド・ゲインなど)。さらに、時代や地域によって、名声と悪名の両面的評価を得る場合もある。これは英雄に多い(織田信長チェーザレ・ボルジア、ナポレオンなど)。
 最後に。ハイスコア取得はプレイの指針のひとつにすぎず、『の人生™』の究極の目的ではない。ハイスコアをめざしてストイックにゲームを攻略するプレイヤーを「ガチ勢」といい、のんびりゲームを楽しみ勝敗に強くこだわらないプレイヤーを「エンジョイ勢」という。ゲームに参加するからにはハイスコアをめざしてほしいが、無理はしなくていい。肩肘張らず、きみの好きなようにプレイしてもいいんだ。『の人生™』は非常に自由度が高く、どんなプレイスタイルも認めてくれる寛容さがある。

ゲーム全般の流れ

 あなたがこのゲームをプレイし続けるためには、ゲーム内で、空気を呼吸し、水分を補給し、食事し、排泄し、眠らなければならない。

 もっとも重要なのは呼吸だ。口や鼻から空気を吸って、吐き出す動作だぞ。これによって、肺で取り入れた酸素を、心臓のポンプで全身に行き渡らせられる。そして、酸素の代わりに、二酸化炭素を身体の外に捨てられる。7分くらい、息をしなかったり、心臓が止まったりすると、すぐゲームオーバーになるから注意して。とはいえ、この呼吸は、あなたの体が自動でやってくれるので、日常生活で意識する必要はない。

 次に大切なのが、水分補給だ。人体の約70パーセントは、水で出来ている。この水は、徐々に蒸発していくという特徴があるから、こまめに水分補給しないと、ひからびて死んでしまうぞ。とはいえ、水の中で暮らすのはイケナイ。いつでも水分補給できるから便利そうだけど、あなたの操作する主人公は「人間」であり、人間は水中で呼吸できないから、水分補給以前に、呼吸ができなくて、ゲームオーバーになってしまうぞ。

 食事と睡眠も、大事だよ。これはたいてい、決まったサイクルによって、おこなわれる。
 睡眠はだいたい夜にやる。睡眠中は自主的な行動が不能になるけど、呼吸に関しては、体が勝手にやってくれるぞ。睡眠によってHPが回復し、各能力がアップする。
 食事は朝昼晩、1日3回が目安だ。何を食べても構わないが、基本的には、他の動植物の細胞を、口から摂取し、内臓で消化し、栄養として吸収することになるぞ。食事をしなくてもすぐにはゲームオーバーにはならないけど、ちゃんと食べないと、HPが回復しなかったり、いろんな能力がダウンしていく。

 『の人生™』はとても自由なゲームなので、夜に眠らなくても、1日まったく食事をしなくても、即ゲームオーバーになったりはしない。だから、典型的な生活サイクルが実践できていないからといって、あわてないで。そればかりか、ゲームのスタート直後は、1日の約70パーセントを睡眠に費やすことになるし、睡眠中に、自分の意志とは無関係に、排泄行為をやらかしてしまう。それはゲームの仕様であって、バグではないから、不安に思うことはないぞ。
 ひょっとしたら、「1日の約70パーセントを睡眠に費やすことになる」と聞いて、あなたはこう思うかもしれない。「寝てばっかり!自分で操作できないんじゃ、おもしろくないよ!」と。安心して。ゲーム序盤から中盤にかけて、睡眠は徐々に減らしていくことができる。修行によっては、1日の睡眠時間を3時間に短縮できる。しかも、ゲーム終盤になってくると、勝手に目が覚めるようになってくるから、とても便利。目が覚めている時間を少しでも長くしたいなら、いっぱいレベルをアップさせよう。

ステータス

 主人公のステータス(能力)は、すべて、数値(パラメーター)で表されるぞ。
 これはキャラクターの行動でさまざまに増減する。食事・睡眠・運動・成長・訓練・ドラッグ摂取などによって、増える。逆に、ケガ・病気・運動不足・栄養失調・ドラッグ摂取などによって、減る。
 数値が大きい数字であればあるほど、その能力がすぐれているってことだ。

「レベル」
 ゲーム内で1年が経過すると1つ上がる。レベルによって成長ホルモンの分泌量が変わって来る。レベルが高くなりすぎると全パラメータが徐々に下がっていく。
 隠しステータスとして「心臓の総鼓動回数」がある。これは『の人生™』における時間制限であり、20億回を超えると体力が満タンでもゲームオーバーになる。

「体力」
 RPGでいえば「HP(ヒットポイント)」で、これがゼロになると死ぬぞ。食事したり休息すると増え、ダメージを受けたり過激な運動をすると減る。また、運動することによって基礎体力はアップし、最大値は増加するぞ。

「神経」
 RPGでいえば「MP(マジックポイント)」で、主人公が特殊な行動をすることによって消費される。これが少なくなってくると、行動の成功率や効果が低下し、ゼロに近づくと行動そのものが不能になる。睡眠したり栄養ドリンクを飲むと増える。修行によって最大値はアップする。

「知力」
 主人公の賢さ。このゲームで最も大事な能力のひとつ。この数値が高いほど生産性が向上するし、低いとあらゆる局面で失敗をやらかす。


「腕力」
 主人公の力の強さ。この数値が大きいほど、家具を動かす時に便利。それから、スポーツ系のミニゲームでも有利となる。

「すばやさ」
 主人公の行動の速さ。移動速度が速くなる。敵から逃げる際に便利。ゲーム序盤でもっとも大事な能力。ゲーム中盤からは重要度が薄れ、最も早く劣化していく。

「魅力」
 主人公の好ましさ。このゲームで最も大事な能力のひとつ。この数値が高いほど周囲から好意を持たれる。顔の造形によって自動的に設定されるが、装備品によっても変動する。化粧をすることでも上昇する。

「運」
 イベントの発生率に影響。高ければ主人公に有利なゲーム展開になるし、低ければ不利なゲーム展開になる。お守りやラッキーアイテム、おまじないや祈りによって上昇する。

「身長」
 キャラクターの大きさ。この数値が大きいほど、高い所にあるものが取れるようになる。それから、いくつかのミニゲーム(バスケやバレーなど)で有利になる。「魅力」の数値にも影響する。レベルが20に達すると増えなくなる。

「体重」
 キャラクターの重さ。食事をすることで増える。この数値が大きいほど、ミニゲーム「相撲」で有利になる。「魅力」の数値にも影響する。

「BWH」
 胴回りのサイズ。装備できる防具が変わる。「魅力」の数値にも影響する。

「足のサイズ」
 装備できる靴が決まる。

キャラメイキング

 まずは主人公を作ろう!
 といっても、めんどうな作業は必要ない。『の人生™』では、コンピューターが自動的にあなたのキャラクターを決めてくれる!

【名前】
 入力する必要はないので非常にラクチン。ゲームの登場人物「お父さん」や「お母さん」がランダムで決めてくれる。(ストーリーの展開によっては、おじいさんかおばあさん、あるいはマフィアのボスや孤児院の院長、市長や町内会の会長が命名するイベントが発生)
 どうしても主人公の名前が気に入らない場合は、家庭裁判所に申し立てをすれば改名できるので安心して。(→名の変更許可のページを参照)

【顔】
 各パーツにパラメータを割り振ったりする必要はないので非常にラクチン。ゲームの登場人物「お父さん」と「お母さん」の遺伝子の交配によって、造形は勝手に決まる。
 顔は「魅力」以外の能力値には関係しないが、その後のゲームプレイに大きな影響が出る。美男・美女のキャラクターになると、何事においてもうまくいき、イージーモードになるぞ。ブサイク・ブスになれば、その逆だ。
 どうしても主人公の顔が気に入らない場合は、美容整形外科で手術をすれば変更できるので安心して。(→整形手術のページを参照)

【初期能力値】
 ランダムに決められるが、スタートの段階ではどのキャラクターもほとんど大差がない。「体力」「神経」「知力」「腕力」「すばやさ」「魅力」「運」すべてのステータスが、ほぼゼロに近い状態だ。これらの能力をいかに成長させていくか、それがゲーム攻略の大きなカギとなる。

【性別】
 自動的に「男」か「女」のどちらかに決定される。
 「男」はおまたの所に鍵がついていて、「女」はおまたの所に錠がついている。(鍵を錠に入れると新たな扉がひらく。ゲーム中盤にためしてみよう。)
 「男」は「腕力」「身長」の能力値が成長しやすい。「女」は「体力」「魅力」の能力値が成長しやすい。ゲーム序盤は「女」の方が成長が早いぞ。
 男女の違いによって、発生するイベントがいろいろと変わって来る。社会や地域や時代によっても、「男」の方が有利だったり、「女」の方が有利だったりする。
 どうしても主人公の性別が気に入らない場合は、性転換手術をすれば変更できるので安心して。(→性転換手術のページを参照)
 性転換手術はちょっと大変だけど、「男」から「女」、もしくは「女」から「男」になるだけでなく、「中間」になることもできる。

【スタート地点】
 ゲームの登場人物「お母さん」がどこで主人公を出産するかで決まる。プレイヤーに選ぶ権利はない。「運」の値が高ければ豪邸からスタートするし、低ければ最初から刑務所スタートということもありうる。

【攻略のヒント】
 もしも自分のキャラクターが気に入らなかった場合は、リセットして初めからやり直そう。